サイモン・シン著 青木薫訳 「フェルマーの最終定理」 新潮文庫
3世紀半にもわたり数学者たちを悩ませてきたフェルマーの問題が解かれるまでのノンフィクション。
サイモン・シンの著作をはじめて読んだのは「暗号解読」で、あまりの面白さにこの「フェルマーの最終定理」も前々から読んでみたいと思っていたら夏の読書特集と称して本屋に平積みされていたので勢いで購入。
こちらも面白かった!
私は典型的な文型人間で、数学が一番できなかったけれどこの本は最後まで面白く読めた。
まあ、数学の話になると「へー。ほー。ふーん」という程度にしか理解が出来なかったけれど、フェルマーの最終定理が証明されるまでの数々の人間ドラマが面白かった。
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」と意味ありげなメモだけ残したフェルマー。
この人は人に難問を出しては相手が問題を解けずにぎりぎり歯軋りするのを見るのが趣味みたいな人で、フェルマーの最終定理も本人は証明できたと言うけれど肝心な証明は書き残していないという困った代物だった。
数々の数学者がこの難問に挑んでは敗れ、証明不可能ではないかとも囁かれ、時代遅れの問題にもなっていったフェルマーの最終定理を解いてみせたワイルズ。
しかし、そのワイルズの証明にも欠陥があり、その欠陥を修復するまでのワイルズの苦闘がまたドラマティックだった。
フェルマーの最終定理を解くのに日本人が大きな貢献をしたと評価されているのも同じ日本人としてにうれしいところ。
他の人も言っているけれど、私のような「数学? 見るのも嫌ですね」と思っている人間にも数学の面白さや奥深さを理解させてくれる著者と訳者の力量はすごい。素直に感服する。
あと未読の「ビックバン宇宙論」を読んでみたい。
「フェルマーの最終定理」や「暗号解読」よりは評価がちょっと落ちるみたいだけど、それでも科学の面白さを教えてくれると期待して読んでみよう。