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国宝絵巻 鳥獣戯画

2007.06.03 | Category 読書記録::その他

「国宝絵巻 鳥獣戯画」 解説/奥平英雄 岩崎美術社

京都の国立博物館で甲巻(鳥獣戯画で一番有名な巻)のポストカードを買おうかどうしようか迷った挙句やめてしまったのをちょっと後悔したので図書館で借りてきた本で発散。
やっぱりいいなーこれ。
ユーモラスな動物たちがかわいい。
絵のよしあしは私にはよくわからないが(絵を書く人から見れば筆遣いがすごいらしい)どんな動物も笑っているので見ていると和む。
蛙本尊が笑えた。
人気があってキャラクターグッズになるのもわかるなあ。実際に私も買った(笑)
戯画の名手であった鳥羽僧正が描いたと伝えられているが、本当のところはわからないらしい。
しかし天台座主になるような偉い人が、仏教を茶化すような蛙の本尊とそれを拝む猿や兎や狐を描いたと思うと面白い。

東京国立博物館で縮小した巻物が売っていたので買ってきてもよかったかな。
東京のサントリー美術館で07年11月3日から12月16日まで鳥獣戯画の企画展をやるので行きたいけどすごい人だろうな。悩むなあ。
このタイミングでやるなんて行ってきなさいという思し召しだよとか思わないでもないけど。図録もほしいし。

21:58 | Comment(0)

山の精神史

2007.05.28 | Category 読書記録::民俗

赤坂憲雄 「山の精神史 柳田国男の発生」 小学館

柳田国男論の4部作のうち一番初めの一冊。
柳田国男の山人論の功罪。山人論がどういったいきさつで生まれ、否定されていったのか。
今の日本人が来る前には異民族がいたよ、その人たちは山に追われていって今でも山に住んでるんだよというのが柳田の山人論らしい。乱暴な理解だとは自分でも思う。
研究をしても山人論を裏付けるものは出てこず、南方熊楠の強烈な批判もあってその説は柳田自身も表立って主張することはなくなる。そして山人論の替わりに柳田の関心は常民へと移っていく。

私の一番だめなところは体系だった知識がないことなのでそれを少しでも克服しようかと思って読んでみた。面白かった。柳田の切り開いたものと限界がほんの少しだがつかめた気がする。
民俗学をかじった程度の人間としてはいろいろと思うところはあったのだがうまくまとめきれない。そりゃあまあ、最終的には「日本人ってどういう人のことを言うんですか?」という問いにたどり着くのだからそう簡単には答えがでないわけだけども。

22:28

海神の贈り物

2007.05.20 | Category 読書記録::民俗

谷川健一 「海神の贈り物 民俗の思想」 小学館

いろいろなところに寄稿した文章を南島、地名、異界、民俗の思想の四つのテーマに分けて一冊にまとめたもの。
論文ではないからこそ著者の「小さきもの」への親愛や郷愁を知ることができてよかった。
こういうのが好きだなあ。

余談になるが、一時期自分の家のルーツに興味があるという人にお会いする機会が多いときがあった。
まあそういう人は土地の有力者だとか武士とかわりと他人に自慢できる家系の人が多かったんですな。
うちはおそらく農民だとわりとはっきりしているので自分の家のルーツには興味がないのだが(だから近所にある檀那寺で過去帳を調べたこともない。過去帳が残っているかどうかすら知らない)、民俗学に惹かれたのは歴史に何も残さずに死んでいった人たちが自分の祖先であり自分もいずれそうなるから親しみを感じているからかもしれないと突然思った。
作者の名もなき人々への関心に共感するのはそういうことじゃないのかと。
そんなことを考えた本だった。

23:02

読了2冊

2007.05.14 | Category 読書記録

平岩弓枝 「平安妖異伝」 新潮文庫
貴族の青年藤原道長と楽士の少年秦真比呂(はたのまひろ)の二人が平安京にはびこる物怪退治をする話。短編小説10編。
道長が脂の乗り切ったおじさんじゃなくて若いお兄ちゃんなのかー、ふーん、とか思いながら手にとってみた。
道長が好青年で驚いた。私の道長のイメージがよくわかる発言だ。
物怪退治の話であるが、主に楽士の真比呂が奏でる音楽と楽器で退治をするというのがいいなあ。
なので怪異のおどろおどろしさはなく、幻想的できれいな話になっていると思う。
音楽というテーマをいろいろな切り口で見せてくれるので面白かった。

渡辺誠 「秘蔵写真で知る 京都御所入門」 東京書籍
今度の旅行は京都だぜーということで予習。
仕事が終わってぐだぐだの状態で読んでいたので専門用語だとかはさわやかにかっ飛ばしてしまったが、わかりやすくてよかった。
とりあえず今の御所は江戸時代に作られたもの、公的な儀式や行事を行うところは平安様式、生活空間は近世の様式になってるとか、寝殿造にも風水の思想が入ってるよとか、基本的な知識がすっぽ抜けている私にはこれぐらいの内容がちょうどいいような気がする。

気がつけば平安時代づいているな。
特に狙ったわけではないのだが。

22:59

最近の読了

2007.05.02 | Category 読書記録::手工芸

連休は読書がはかどるなー。
最近は仕事が終わった後だとぐったりして本を読む気力と体力を搾り出すのも難しい。
というわけでまとめて読書記録。
一冊一冊細かく書こうとすると時間がかかるのでもうこれからはまとめて数行で書いてしまうことにする。

山崎和樹 「草木染 四季の自然を染める」  山と溪谷社
草木染めの本。
染料の種類と染めの色見本が中心。
染め方についてはちょろっと触れている程度。
家庭でできるようにということで簡単な内容になっている。
使用している媒染(発色の手助けして、色素を定着させるためのもの)は手に入りやすいアルミと鉄のみ。
さすがに錫や銅は処理が大変だし、廃液を垂れ流すわけにはいけないからなあ。
家でもできるように買ってみたんだけど、これならもうちょっと濃い内容のを買ってもよかったかな……
染色で使う鉄の作り方が書いてあったのはよかったんだけど、隅っこに小さく書いてあったから最初はぜんぜんわからなかったよー。
私みたいなど素人がどんな染料があるかなー、どんな色が出るのかなーと入門書として読むにはいいと思う。

ちなみに草木染という言葉は新しく、山崎斌という人が科学染料で廃れてしまった天然染料による染物のよさを多くの人に知ってもらおうと昭和に考案した呼称だそうな。
多くの人に使ってもらいたかったから商標登録をとらなかったらしい。
だから草木染という言葉をあえて使わない作家さんもいる。
著者は山崎斌の孫だそう。

吉岡幸雄 「日本の色辞典」 紫紅社
名前のとおり色辞典。
著者は染色家であり染色の研究者でもあるのでいろいろな文献から古代の色を再現し、その色見本を色の名前の由来とともに載せている。
色の薀蓄はもちろん、布を染めるのに使った染料と媒染が載っているのでありがたい。
青を染めるのにはやっぱり藍しかないんだなー。
青がほしいなあと思ってるんだけど、藍はいろいろ大変そうなイメージが。
まあ、今ならわざわざ建てんでも手軽にできる方法はいくらでもあると思うけど。
そして緑を染めようと思ったら藍に黄色をかけるしかないと。
こういうのを調べていくと本当に昔は色を得るのは大変だったとよくわかる。

吉岡幸雄 「日本の色を染める」 岩波新書
図書館で借りてきた。
これを読めば染色の歴史がとりあえず一通りわかるんじゃないかなーと思って。
前出の「日本の色辞典」とかぶる内容もあったけれど、時代ごとの色についての価値観がわかってよかった。

……これのどこが数行だ。

23:57 | Comment(0)